9月16日から19日まで北青山の京都造形芸術大学・東北芸術工科大学 外苑キャンパスで行われた「THE TOKYO ART BOOK FAIR 2016」に行ってきました。
年齢、国籍問わず様々な人々が一堂に会しアートブックを楽しむ光景は、なんとも素敵です!
4日間という短い期間に大勢の人が集まるので、会場はぎゅうぎゅう。
何を隠そう、僕も個性豊かな3人の作家とチームを組んでブースに出展しようとしていたのですが、審査で落ちてしまいました…。
300ブースに対して、どれだけの応募があるのでしょうか。うーん..。
新たに創設されたダミーブックアワード
気を取り直して、今回僕がブースとは別に楽しみにしていたのが、新たな試みとして創設されたダミーブックアワード「Steidl Book Award Japan」です。
ダミーブックとは、出版物の完成形をイメージするために、作家が実際に製本した模型のことです。
ダミーブックアワードとは、作家が本の形まで作りこんで応募し、入賞者が出版権を得るというもので、近年世界各地のアートフェアで開催され注目を集めています。
そして、Steidlとは映画『世界一美しい本を作る男 -シュタイデルとの旅- (字幕版) – ゲレオン・ヴェツェル & ヨルグ・アドルフ』で有名なゲルハルト・シュタイデルのことです。
なんと!グランプリ受賞作品には、ドイツに渡ってシュタイデル氏と共同作業し、Steidl 社の書籍として出版され世界中で流通されるという夢のようなご褒美が与えられます。
会場には、700件以上の応募の中から選ばれた約150冊が展示してありました。
どれもダミーブックなので、汚さないように来場者は白手袋をはめて慎重に閲覧します。
みんなが白手袋をはめて、真剣に本と向き合っている空間は、なんとも神聖な雰囲気が漂います。
この中から歴史に残る本が誕生するかもしれませんしね。
シュタイデルと仕事がしたいという高い目標をもつだけに、展示作品はどれもクオリティがめちゃくちゃ高く見応えありましたー。
えぐるような強烈なブック。
静かで繊細な美しさを秘めたブック。
痛快なユーモアにあふれたブック。
なかでも特に僕がゾクゾク、わくわくしたのが うつゆみこ氏の『yaoyorozoo』です。
大小さまざまなページをめくるごとに、お化け屋敷に迷い込んだような不思議な感覚を覚えました。
うーん、ブックにこんな力があるなんて…びっくり。
小さい頃、飛び出す絵本に出会ったときに得た衝撃に近いかなあ。
(グランプリになって出版されたら買おっと)
なお、この後シュタイデル氏が5冊のグランプリ候補を選出し、11月のロバート・フランク展のオープニングでグランプリが発表されるそうです。
白手袋の抜け殻がいっぱい…。
(来年は僕も応募できるようなブックを作り上げて挑みたいな)
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