多摩川河川敷のお気に入りの場所でぼっーとしていたときに、朝から晩までカメラを据えて一定時間ごとにシャッターを切っていったら、なにか興味深いものが形になるのではないかと思い撮影を計画した。
現像後、写真をつなぎ合わせると、そこには、“一日”という時の流れがもたらす面白ろさや美しさ、味わいが浮かび上がってきた。
とくに、河川敷という開放的で多様なものが生きる場所だからこそ、その旨味成分がぎゅっと写り込んだのではないだろうか。
作品は蛇腹(じゃばら)状の手製本に仕立て上げ、多摩川河川敷の“一日”を文字通り手に持ってびろーんと伸ばして体感できるようにした。
普段忙しなく動き回っている現代人にとって、一日何もせず、ぼっーとしていることは、実に贅沢なことになってしまったと思う。
みんな、せかせかせず、たまには気持ちの良いところでぼっーと一日を味わうのもいいんじゃない、これからはもう少しのんびりできる社会を目指そうよという願いを込めて。
2017年2月 、横浜のBankART Studio NYKで行われた「御苗場 vol.20 横浜」に出展。
手製本の蛇腹の形状がもつ面白さを生かした展示方法を試みた。
レビューアー賞ノミネート(EMON Photo Gallery 小松整司氏)。
2017年10月 、天王洲アイルの寺田倉庫で行われた「TOKYO ART BOOK FAIR 2017」にPHOTO atlasのメンバーとして出展、販売を行った。
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