水戸を訪れたとき、湖で偶然出会った黒鳥(ブラックスワン)の母鳥からインスピレーションを得て制作した作品。
寒さに耐え、ちょっかいを出してくる雄を追い払い、懸命に卵を守る母親。
その勇敢な姿に心を打たれ、カメラを構えながらずっと見守っていた。
すると、子どもを守るための緊張感やある種の殺気、愛情や誇りに思う気持ちなど複雑な心情が僕の心に流れ込んできた。
その感覚をなんとか視覚化できないかと挑んだ。
思えば、母親という役割は、太古から脈々と受け継がれてきた神聖な使命。
神仏の後光のイメージが浮かび、プリントの上に金色のアクリル絵具で着彩。
筆のあとが残るようなラフな描き方で生々しい感情を表そうとした。
また、ネガフィルムの枠と別のコマを大胆に描画し、母親が卵から一時も目を離せないという緊張感や躍動感を出そうと試みた。
新たな表現方法を模索した挑戦的な作品。
全4点制作。
2015年6月 に渋谷の ギャラリー・ルデコ行われたグループ展「Photo+Nico2015」に出品。
オークション形式の販売で全4点完売。
INTERART7の代表・小林貴氏の注目の作品賞に選出。
作品の販売状況:完売
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